なかめのてっぺん渋谷ストリーム 石井 涼野

新卒入社9年目!
過去の挫折をバネに、店長への再チャレンジを決意する。

なかめのてっぺん渋谷ストリーム

石井 涼野

1995年、群馬県生まれ。高校卒業後、地元の調理師専門学校に入学する。
2015年、MUGENに新卒で入社し、「なかめのてっぺん丸の内」に配属となる。その後は「なかめのてっぺん本店」の副店長、「築地もったいないプロジェクト魚治」の店長を経験。
2022年11月より「なかめのてっぺん渋谷ストリーム」に配属となり、ホール業務を統括している。
モットーは「素直な人間 日本一」

キャリアインタビュー

「食」への興味から、地元の調理師専門学校に入学する。

生まれは群馬県前橋市です。両親と私、妹、弟の5人家族で育ちました。「妹」「弟」といっても、私たちは3つ子です。妹は現在、東京の生花市場で働いており、弟は地元にある学校機関で事務員をしています。私は高校卒業後、地元の調理師専門学校に入学しました。特に調理師を目指していたわけではなく、進路選択の際に自分の興味が「食」にあると気づいたことから、地元に専門学校があることを知ったのです。
昔から食いしん坊で、料理はわりと好きだったので、卒業後は「食」に関わる仕事に就ければと考えていました。しかし、いざ学校に通い始めると、同級生は料理人を目指す人たちばかり…。私はすぐに周囲との温度差を感じました。結果的に授業や実習にはさほど身が入らず、ときどき学校をサボっては、ふらふら遊んでいるような学生生活を過ごしていました。

就職活動を通じて、「居酒屋で働く」という選択肢を知る。

MUGENとのご縁は、ヒューマンカウンシルの長山社長が繋いでくださいました。就職活動が始まる2年生の時期に、私が通っていた専門学校へ就職相談にお越しになったのです。
当時の私の進路は、かなり漠然としていました。在学中に調理技術を磨いたわけでもないし、そもそもホテルやレストランの調理人を目指していたわけでもありません。どちらかといえば、給食や弁当の仕出しなど、集団調理の職場が良いかなぁ…。まだ10代だった私には、見える世界も限られていました。そんな私に、長山社長は「東京の居酒屋で働く」という新たな選択肢を教えてくださいました。居酒屋に就職…?正直なところ、未成年の私には、具体的な仕事のイメージが湧きませんでした。
一方で、東京暮らしについては、少なからず憧れがあったのです。後日、長山社長に同行いただき、MUGENを含めた都内の飲食店を見学しました。その日は「なかめのてっぺん丸の内」でランチをした後、有楽町の「築地もったいないプロジェクト魚治」を訪問しました。魚治に着いたのは、ランチ終わりの時間帯。ディナー準備で忙しそうな店内を、女性スタッフの神宮寺さんが案内してくれました。そのとき話した内容は忘れてしまいましたが、とにかく彼女が温かく、素敵に見えたことだけは、今でも強い印象として残っています。
このように、MUGENの店舗や人々が放つ、明るくウェルカムな雰囲気は、そのとき見学した他社の飲食店にはない特別な魅力でした。もしも採用いただけるなら、この会社で働こう…!入社意思を固めた私は、改めて面接に臨みました。ちなみに私の面接は、中目黒のガストで、社長の内山さんと1対1で行われました。その日はちょうど、事務所が社員の試食会で使われていたのです。学校はどうなの…?ドリンクバーを注文し、採用面接とは思えないような内山さんのフランクな雰囲気に心を許し、私は自分が学校をサボりがちであることを打ち明けてしまいました。…じゃあ、卒業するまで休まず学校に通うことを約束してね!それが内定の条件だよ。その日を境に私は学校をサボることは一切なくなり、無事に皆勤を果たして卒業の日を迎えました。

MUGENへの入社と同時に上京し、居酒屋で働く楽しさを知る。

入社後3ヵ月間の研修期間は、「なかめのてっぺん丸の内」「なかめのてっぺん横浜みなとみらい」「はまぐり屋串左衛門」の現場を1ヵ月間ずつ経験しました。最初の2店舗は、いずれも駅直結の商業施設内にある居酒屋でした。ランチの現場に入った初日は、怒涛の来客数に思わず圧倒されました。学生時代とは一転して、目がまわるほどの忙しい毎日でしたが、新しい環境での生活は、とても刺激的で楽しいものでした。明るく優しい先輩方、活気に満ちた店内、お客様との交流…。慣れない立ち仕事が続いても、ほとんど疲れを感じませんでした。また、念願の一人暮らしを始めたことも、私にとっては幸福でした。学芸大学にある会社の寮に住まわせていただき、初めて自分だけの城を持てたことへの喜びが大きくて、ホームシックになることは全然なかったですね(笑)

研修期間を終えると、私は自ら希望していた「なかめのてっぺん丸の内」へ本配属となりました。丸の内店を選んだ理由は、私に居酒屋で働くことの楽しさを最初に教えてくれた原点のお店だからです。MUGENの居酒屋業態では、グランドメニューとは別に、「本日のオススメ」を必ずお客様にご案内しています。お品書きは各店舗に裁量があり、たとえば調理メンバーが豊洲市場で仕入れた旬の食材を活かして、その日の一押しメニューを考案するのです。私たちホールメンバーは、それらの販売戦略を自ら考え、メニュー書きを行います。日々の営業は、日次の売上目標と併せて、「本日のオススメ」の販売目標数を掲げて始まります。客席まで食材をお持ちして、新鮮さやインパクトをアピールするのも良し!調理のこだわりや希少性をお伝えして、思わず食べたくなるようなプレゼンをするのも良し!ご注文をいただけるかどうかは、私たちホールメンバーの腕に懸かっているのです。お客様への提案が実って、続々とオーダーが入ったときには、現場は一気に盛り上がります。販売戦略を自らで考えこのように、チーム一丸となって共通の目標をクリアしていく瞬間の喜びや興奮は、この仕事で得られる大きな醍醐味の一つです。「美味しかったよ!」「ありがとう!」「元気をもらった!」「また来るね!」…など、お客様が帰り際に残してくださる言葉も、私たちのサービスにご満足いただけたことを感じられる嬉しい瞬間です。学生時代の私は、自分が東京の居酒屋で働いている未来など、想像したことはありませんでした。やりたいことがわからずモヤモヤした時期を過ごしていましたが、このような素敵なご縁を繋いでくださった長山社長には、心から感謝しています。

MUGENの看板店舗に異動し、サービスマンとして憧れの先輩に出逢う。

味松(みまつ)さんのようなサービスマンになりたい…!私はMUGENに入社して、心から尊敬できる素敵な先輩に出逢うことができました。味松さんは「なかめのてっぺん本店」の店長を長らく務めてきた女性で、私は彼女のもとで多くのことを学ばせていただきました(現在はMUGENを卒業されています)。
味松店長が率いる本店の営業は、いつも明るく楽しい活気に満ちており、同時にピリっとした緊張感がありました。営業時間中、ふとした瞬間の私の態度や応対を、厳しくご指導いただいたことは何度もあります。そしてすぐに、いつもの屈託のない笑顔に戻って、お客様を全力で楽しませているのです。多くのお客様が「みっちゃん」に逢いにご来店され、彼女のオススメを自ら求めていました。味松さんには、お任せしたくなるような絶対的な信頼があったのです。営業時間外にも、私は彼女に多くの時間を割いていただきました。しんどいときや悩んだときには必ず時間をとってくれて、対面で話を聞いてくださったのです。私が抱える不安を一つ一つ取り除いてくれる優しさを持つ一方で、決して甘やかすことはありませんでした。味松さんと話した後は、いつも自分の課題が明確になり、再び前を向いて仕事に戻ることができました。
ちなみに「なかめのてっぺん」は、いわゆる「元気系」の居酒屋に分類されると思いますが、普段の私はまったくそんなキャラではありません(笑)そんな私も鯉口に着替えれば、瞬時に営業モードに切り替わるのです。味松さんの本来の性格も、同じく元気系ではありませんでした。そんな彼女がサービスマンとして大きな輝きを放っている姿は、私に自信を与えてくれました。だから、新たにMUGENに入社する方は、もともと底抜けに明るい性格である必要はないですよ(笑)営業が始まれば自然にスイッチは入るものなので、本来の性格に関係なく、どんな人でも活躍できると思います。

過去の挫折をバネに、店長への再チャレンジを決意する。

2023年9月、私は「なかめのてっぺん渋谷ストリーム」の店長に立候補しました。その機会は、社員旅行で鹿児島を訪れていた際に、突然にやってきました。私たちはそのとき、宴席を囲んでゲームをしながら盛り上がっていました。それは、「A5ランクの黒毛和牛のすき焼き」を懸けて、食べたい人が社長の内山さんに自分の目標を宣言する…というルールで始まりました(笑)この「黒毛和牛チャレンジ」は、各テーブルで立候補したメンバーが自ら参戦していましたが、私の卓に順序が巡ってきたときに、なんと私は内山さんからご指名を受けたのです!私はその意味を、すぐに理解しました。「渋谷ストリームの店長になります!」…最初ばかりは言葉を濁していた私ですが、最終的に自分が店長になる意思を、みんなの前で宣言しました。これは別に、空気に飲まれたとか強制されたとか、そういう訳ではありません(笑)確かに場の勢いを借りた部分は大いにあったと思います。
しかし実際には、ずっと迷いを抱えていた私が、ようやく次の一歩を踏み出す機会を得られた瞬間だったのです。…というのも、私は過去に「築地もったいないプロジェクト魚治」の店長を担い、短期間での挫折を味わった経験がありました。そのときに役職を降りて以来、再び店長に立候補することに対して、なかなか踏み出せない期間が続いていたのです。いま思えば、初めて店長になった当時の自分は、実に些末なことで悩んでいました(とはいえ、渦中にいたときは必死でしたが…)。自分なりに描いていた「店長像」に縛られて、無駄に力んでいたのかもしれません。たとえば、自分に料理の知識やスキルがないことへの負い目から、調理メンバーとのコミュニケーションに尻込みをしていたり…。なんでも一人で背負い込もうとして苦しんでいたり…。振り返ると、当時の私は「店舗を良くするために」「お客様に喜んでいただくために」という本質的なゴールを見失っていました。それよりも、自分の発信に対して、現場の仲間がどう思うか、どう反応するかということばかりに囚われていたのです。だからこそ、メンバーとのコミュニケーションにおいても、伝え方やタイミングなど、「手段」にばかり悩んでいました。しかし結局のところ、私が魚治をどんなお店にしていきたいのかを明確に持ち、それを必ず形にしようという覚悟さえブレなければ、そもそも「手段」にこだわる必要などなかったのです。店長である私が、別に料理を完璧にできる必要はありません。そんなことより、業態のコンセプトやストーリーを誰よりも深く理解し、店舗として大切にすべきことを仲間に堂々と語れることのほうが、ずっと重要なことでした。調理に関する知識やスキルなど、自分に足りない部分は素直に仲間の力を借りれば良かったし、意図が伝わらなければ、相手に理解してもらえるまで、臆することなく出来る限りを尽くせば良かったのです。すべては目的を果たすため。それこそが、リーダーの仕事だったと今では思います。
店長の私に明確なビジョンがなければ、現場の仲間だって、具体的に何をどう支えて良いのかは解らないものです。当時はチームが思うように機能せず、いつも孤独を感じていましたが、それは私自身の在り方に原因がありました。いま思えば、現場にも社内にも、支えてくれる人たちはたくさんいたのに、それに気づかず一人で迷走していたのです。だからこそ、次に店長になったときには、もっと仲間を信じて頼ろうと思っています。
私はもともと、自ら先頭に立って組織を引っ張っていくような、強いリーダーシップを持った人間ではありません。だからといって、リーダーになれないとは限らないはず。「リーダーシップ」にも、いろんな形があると思うのです。かつての私はそれまで見てきた「店長像」への憧れもあり、自分ではない誰かのようになろうとしていました。しかし、そもそも他人になることはできないし、私には私にしかない「自分らしさ」があるはずです。それはサービスマンとしても同様で、私は店舗の看板として輝きを放つような、いわゆるスター選手的なタイプではないと思っています。それよりも、現場で働く一人ひとりの仲間が、それぞれの能力やキャラクターを存分に発揮して、お客様が楽しく快適に過ごせるような空間やサービスを、お店全体として実現すること。私自身は、そこにサービスマンとしての喜びを感じるタイプです。「店舗を良くするために」「お客様に喜んでいただくために」という本質的なゴールに到達できるのなら、店長としてのリーダーシップに、どんな「解」があっても良いのだと今では思います。手痛い挫折を経験したことで自己理解が深まり、クリアすべき課題も明確になりました。おかげで以前よりも、少しは強くなれたと感じています。

入社9年目の今、考えていること。

店長としての任務を全うできず、心が折れてしまった当時の私は、MUGENを退職することさえ考えていました。しかし、そんな自分を見放すことなく、会社は私に時間を与えてくださいました。魚治の店長を降り、「なかめのてっぺん渋谷ストリーム」のホールスタッフとして、再スタートのチャンスをいただいたのです。店長職のプレッシャーから解放された私は、おかげで自分を冷静に見つめ直す機会を得ることができました。渋谷ストリームに異動後は、あんなに出勤するのが憂鬱だった日々が、まるで嘘のようでした。気づいたら、仲間やお客様とのコミュニケーションを、再び楽しんでいる自分がいたのです。
渋谷ストリームのホールスタッフは、若手のキャスト(アルバイト)メンバーが多くを占めています。かつての私がそうだったように、彼らにとって居酒屋で働く体験が、ぜひ楽しいものであって欲しい。彼らがプライベートでも友達を連れて来たくなるような、居心地の良い職場を創りたい…。そんな想いから、ホールメンバーの指導には自ずと熱が入るし、自分自身が誰よりも仕事を楽しもうというマインドが自然に湧き起こってきました。私はやっぱり、この仕事にやり甲斐を感じられるんだ…!現場での仕事を通じて、私は自分の気持ちを再確認しました。
今回、再び店長にチャレンジする機会をいただけたことに、心から感謝しています。…というのも、入社9年目を迎えた今、自分が確実に成長しているという実感が、かつてほど得られなくなっていたのが正直なところでした。振り返ると、「なかめのてっぺん本店」で副店長を担っていた頃の自分が、最も成長を実感できる日々を送っていたように思います。自分が尊敬する味松店長を支えるためには、大好きな本店を良くするためには、自分に何ができるだろうと、明確な目的を持って仕事に取り組めていました。だからこそ、次なるステップとして魚治の店長をお任せいただいたことは、自己成長のためにも絶好のチャンスだったはずです。結果的に、初めての店長経験は挫折に終わってしまいましたが、そこで得た反省点を、次のチャレンジに活かしたいと思っています。今になって言えるのは、自己成長の機会は、待っていても決して訪れないということ。入社後まもない新人時代は、すべてが初めての経験なので、たとえ受け身でいても成長を実感することができました。一方で、仕事や職場に慣れ、社歴も長くなった私は、自分で成長する方法を見つけられずにいたのです。その理由は、私が相変わらずの「受け身」で仕事に取り組んでいたからです。新卒でMUGENに入社し、現場での経験をそれなりに積んではきましたが、長く働いているだけでは自分の市場価値が上がることもありません。自己成長の機会は、自分の手で創り出すもの。目標を掲げ、常に新たなチャレンジを続けることが大事なのですね。それを辞めてしまったら、なんの負荷もない代わりに、仕事や人生が退屈なものになってしまいます。
MUGENは私が入社した当時より、店舗数や業態、組織が拡大し、刻々と進化を遂げてきました。今や自ら率先して会社や仲間に働きかけをしなくても、与えられた仕事をこなすだけで過ごせてしまう環境があります。そこに甘んじることなく、自ら目的に沿って物事を考え、周囲を巻き込むような具体的なアクションを起こせるリーダーになること。それが、私にとっての今後のチャレンジです。店長になれば、きっとまた悩むこともあるでしょう。それでも自分と仲間の成長に期待して、前を向いて進んでいきたいと思っています!

なかめのてっぺん渋谷ストリーム

住所 150-0002
東京都渋谷区渋谷3-21-3 渋谷ストリーム3F
電話番号 03-6434-1508
営業時間 ランチ 11:00~14:30(L.O.14:00)
ディナー 17:00~23:00(L.O.22:30)
定休日 無し
座席数 61席
HP なかめのてっぺん渋谷ストリーム

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